交流事業

日韓文化交流研修会

公益社団法人中央日韓協会では平成22年から、毎年「日韓文化交流研修旅行」を実施しています。

韓国で中央日韓協会と現地の提携団体と研修会やシンポジウム等を開催し交流を深めています。

平成29年度の「日韓文化交流研修旅行」が下記の要領で実施されました。その様子を一部ご紹介します。

今回は、浅川巧(あさかわ たくみ)の墓(世界遺産)及び、金谷近辺の朝鮮王朝陵墓巡りです。

併せて当協会と親交のある韓国養命会との交流・交歓を行いました。

次回の研修旅行日程

令和5年 日韓交流研修旅行
「韓国孤児の母 田内千鶴子」を偲ぶ、生誕111周年式典参加と平和と自由を感じる旅

場所:韓国ソウル市、木浦市,非武装地帯(DMZ)
日時:令和5年10月30日(月)~11月2日(木)
宿泊:3泊4日 ソウル市内
   (ソウルオリンピック村近辺)


平成29年日韓交流研修旅行記 「浅川巧を偲び、朝鮮王朝陵墓を巡る旅」

場 所:韓国ソウル市、楊州市、京畿道
日 時:平成29年10月25日(水)~28日(土) 宿泊ソウル市内3泊4日 

10月25日(水) 07:00 羽田空港集合 09:00 羽田空港発 11:20 金浦空港着 午後ソウル市内散策。
10月26日(木) 午前:専用バスにて浅川巧の墓の墓参、午後:養命自然農園で養命会との交流・交歓会ほか。
10月27日(金) 専用バスにて金谷近辺の(世界遺産)朝鮮王朝陵墓巡り。高宗、明成皇后、李方子、徳恵翁主など。
10月28日(土) 午前:ソウル市内散、15:30 金浦空港発、17:35羽田空港着(解散)。

<主な訪問先>
○浅川巧の足跡=1891(明治24)年山梨県で生まれ、1914(大正3)年、23歳で日本統治下の朝鮮に渡ります。朝鮮では林業技師として緑化事業につとめながら、兄である伯教の影響で「朝鮮白磁」をはじめとする工芸品や民芸品の収集や研究を行い日本に紹介しました。
また兄や朝鮮の芸術を愛した美術学者の柳宗悦と共に景福宮内に「朝鮮民族美術館」を設立、朝鮮陶磁器や家具の収集と保全に尽力しました。この美術館は現在も同じ景福宮の中にある国立民俗博物館に引き継がれています。
浅川巧は日本統治下にありながら朝鮮語を学び、韓服を着て現地の風俗や人に親しみ、周囲の人から敬愛されました。1931(昭和6)年、病気のため40歳という若さでこの世を去りましたが、生涯を朝鮮に尽くし「韓国人の心の中に生きた」日本人として韓国でも知られています。
そんな浅川巧の人生は2012年、映画「道~白磁の人~」として映画化されました。

○韓国養命会=当協会とは長年にわたって親交のある自然農法の振興・普及を図る韓国の社団法人です。主目的の自然農法振興・普及以外に、韓国の歴史、民俗、文化に関する活動も活発に行い、日本の大学等との交流も行っています。
毎年行っている秋の韓国研修旅行も、過去に楊州で2回、群山で1回と、当協会のカウンターパートナーとして共催で活動をして来ましたので交流を深めました。

<研修に参加して>有意義だった韓国研修 / 公益社団法人中央日韓協会会員:坂本秀則

3泊4日の研修旅行は、13名の参加者で実施しました。以下その旅行記です。
10/25(水) 羽田発9:00(アシアナ便)にて金浦着11:45。二台のボンゴタクシーに分乗して一路ホテルへ。センターマークホテル14:30着。チェックインまで自由行動。仁寺洞散策、教保文庫など。チェックインの後に、17:30にロビーに集合し、仁寺洞の食堂で「サンパプ」の夕食。ここで高麗大学岩田晋先生の学友、美人女性が合流。男性陣の顔がたちまちイキイキとなる。
夕食後は希望者のみ高麗大学近くのマッコリ酒場へ。

10/26(木) 朝食は、ホテル近くのクッパ専門店「コンナムルクッパ」で。少し辛めだったが体がシャキッとして朝には良さそう。ご主人によると二日酔いにはベストとの事。
今日はガイドの文仙姫さんによる、世界遺産・朝鮮王陵巡りである。人数に不釣り合いな大型バスで一路南楊州市へ。約一時間で「洪陵」(高宗・明成皇后陵)着。現地ガイドの案内で記念館からスタート。「裕陵」(純宗陵)までを見学。現地ガイドの説明より文さんの説明の方が何倍も長いので、現地ガイドさんの不機嫌さが出てきて笑えてしまった。
引き続き、英皇太子・妻李方子・息子李玖が眠る「英園」にお参りし、少し歩いて「徳恵翁主の墓」に参拝した。再度バスに乗り込み、20分ほど、移動して「光海君の墓」に行ったが残念ながら塀に鍵がかかっていて中に入れないため遠目から見ることとなった。
昼食は「プデチゲ」専門店で、メニューは10種類くらいあった。日本でも馴染みのメニューなので、日本人の口にも良く合う。皆さんあっという間に薄べったい鍋を空にしていました。昼食後に「峨嵯山」(アチャサン) に移動し登山を開始したが、直ぐに通行止めにぶつかりやむなく中止。今日の後半は残念ながら未消化に終わった。
仕方なくホテルに帰り休憩。18:00ホテル近くの食堂で「タッカンマリ」の夕食。鶏を丸ごと鍋で煮込んだものだが特製のタレが美味しかった。


10/27(金) 今日はいよいよ今回のメインイベント・浅川巧の墓参である。9:30一路忘憂里目指して専用バスは出発。11:00に忘憂山に到着。すぐに思い思いのペースで登山にかかる。歩くこと約1時間で「浅川巧の墓」に到着。抱川市長からの綺麗な花束が供えられていた。薄葉団長の水掛の後に全員で手を合わせ、韓国人の心の中に生きた偉大な日本人を偲んだ
その後バスで「趙素昂記念館」(チョ・ソアン)へ。ここで養命会の姜さんと合流し記念館を見学した。時間も押していたため再びバスに乗り込み、姜大元さんの「養命農園」へ。
熱く語る姜さんの案内で自然農園を見学した。資材はすべてリサイクル、労働もボランティアで、子供たちが農業体験もできる手作りの施設を巡回見学。
また休憩所に「歓迎:日本中央日韓協会 韓日文化交流訪問団」という垂れ幕を掲げてくれているのを見て、全員感激の涙を流した。
夜は当協会主催の養命会との懇親会を開催。姜さんがご自身の族譜を見せてくれたりして大変盛り上がり、お互いに楽しい一時を過ごした。そして別れを惜しみながら散会となり夜遅くホテル帰着。


10/28(土) ホテル出発の12:30まで自由行動。王宮見学に行く人、名物の饅頭を買う人、仁寺洞で土産物を買う人、残りのウォンをどう消化するか悩む人、それぞれ最後の韓国を楽しんだ。来たときと同じ二台のタクシーに分乗して金浦空港へ。搭乗手続きは結構込んでいたが、全員無事に出国手続きを済ませて午後15:30出発のアシアナ便の機上の人となる。

今年も皆様のご協力のお陰で研修旅行も無事に終了。学ぶところも多く大変有意義な旅でした。

過去の「日韓文化交流研修旅行」一覧

日時場所研修概要
第1回平成22年10月30日~11月02日韓国揚州市社団法人韓国養命会との共催による「結婚式等の生活習慣」をテーマとしたシンポジウム
第2回平成23年11月02日~11月05日韓国木浦市韓国木浦市後援による「観光」をテーマとした講演とシンポジウム
第3回平成24年11月01日~11月04日韓国揚州市韓国揚州市施設管理公団後援、韓国養命会との共催による「廃棄物」をテーマとしたシンポジウム
第4回平成25年10月31日~11月03日韓国群山市韓国群山市公園の下、養命会との共催による「発酵食品」をテーマとしたシンポジウムと交流会
第5回平成26年10月30日~11月02日韓国ソウル市ソウル市清渓川文化館との共催による「清渓川日本橋の再生」をテーマとしたシンポジウム
第6回平成27年10月1日~11月5日韓国安東市河回別神仮面劇保存會と共催し、「伝統仮面河回村劇芸能」をテーマとしたシンポジウムと交流会
第7回平成28年10月27日~11月30日済州島済州島文化ホーラムの後援の下、「済州島における日本と韓国との交わり」をテーマとした研修旅
第8回平成29年10月25日~10月28日国揚州市韓国養命会の後援の下、映画「道~白磁の人~」として映画化された、朝鮮工芸品の研究者として名高い「浅川巧」の足跡を辿る研修旅行